播博とは

- 播博とは -
織物のまちに、織物の名物市を!
播州織産地の生地マルシェです
播州織産地博覧会「播博(ばんぱく)」は、“織物のまちに、織物の名物市を!”という地元有志の思いから始まった播州織の生地マルシェです。おかげさまでたくさんの方々に支えていただき、“名物市”への道を少しずつ歩んでいます。
イベントの特徴は、播州織の担い手が自ら自慢の生地を販売するスタイルと、空き店舗を利用した町歩き型であることです。
「播州織」の魅力はなんといっても、兵庫県内陸部の一地方で作られているとは思えないほどの多種多様さ。作り手たちも実に個性豊かです。これまでテキスタイルデザイナーや織布職人らと直接話せる展示会は都心部などでも開催されてきましたが、一度に20社以上が出展する一般消費者向けの播州織イベントは「播博」が初となります。多彩な生地と播州織のプロにいっぱい会える、これぞ産地開催ならではの魅力です。
そしてもう一つ、産地そのものも見どころです。マルシェ会場となるのは、播州織全盛期の面影を残す“まちなか”エリア。昭和レトロな建物や、のこぎり屋根の織物工場跡などが点在し、まちの歴史を感じていただけると思います。運が良ければ、「ガチャ万時代」と呼ばれた黄金時代の逸話を地域住民の方から聞くことができるかも。織物工場の女性たちのために考案されたソウルフードの播州ラーメンも、まだという方はぜひお試しを。
主役の播州織から、町歩き、ご当地グルメまで、産地をまるごと楽しんでいただけるイベントを目指しています。
播博実行委員会
第1回 2018年5月27日(日)
第2回 2019年5月26日(日)

※ 2020年、2021年は新型コロナウィルス感染症拡大防止のため開催中止

第3回 2022年5月22日(日)表面
第3回 2022年5月22日(日)裏面
- 播州織とは -
職人技に支えられて230年
国内シェア約60%の先染綿織物
播州織は、兵庫県の内陸部、加古川上流にある西脇市を中心に、多可町、加東市、加西市など周辺地域一帯で発展した綿織物です。あまり知られていませんが、先染綿織物の全国シェアは約60%(2018年実績)。こう見えて、国内外の有名ブランドの生地をたくさん手掛けています。歴史は230年ほどあり、寛政4年(1792)に宮大工の飛田安兵衛によって「長機(ながばた)」と呼ばれる織機の製作技術がもたらされたことに始まると伝わります。
一番の特徴は、糸を染めてから布を織る「先染め」であることです。発色が美しく、複雑で奥行きのある色の表現も得意。お洗濯での色落ちはほとんどありません。「播州縞(ばんしゅうじま)」と呼ばれる縞柄や、ギンガムなどのチェック柄をはじめ、いろいろな織り方や素材使いによって、織り柄、質感、立体感まで多種多様なテキスタイルデザインを創り出すことができます。
生地づくりは10工程ほどからなり、工程ごとに細かく分業化されています。撚糸・染色・整経・サイジング・織布など、職人の手から手へ、受け渡されながら一枚の布ができあがります。そのうち一工程でも質の低い仕事をすれば、たちまちB級、C級に格下げとなるシビアな世界。すべての職人がクオリティの高い仕事をこなしてA級の生地を創り上げる、という作業が、当たり前のように行われているのが播州織産地の日常です。
播州織の生地や製品が買えるお店は、まちなかにある「播州織工房館」や「西脇情報未来館21」のほか、生地のショップが市内に数件ほど。加えて最近は、独自のショールームを構えて個人のお客さんにも対応する機屋さんや加工場も登場しています。さらに、播州織とのコラボ商品を企画するハンドメイドバッグの店や、西脇市のファッション都市構想事業で経験を積んで独立した若手デザイナーの店もオープン。産地に吹く、それら新しい風にもご注目ください。